トイレもダンボールで作れます。災害・非常時に最適!学祭用応援パネル・ボードも段ボールで。エコロジーに配慮する菱田紙器

ダンボールとは

段ボール(だんボール)とは段ボール原紙を多層構造で強靭にし、包装資材などに使用できるよう加工した板状の紙製品。波状に加工した紙を表裏の紙で挟んで接着し、強度を持たせた構造をしている。波型が階段状にも見えるためこの名がある。
段ボールという名称は、素材である段ボールシート、及び段ボール箱、その他段ボール製品一般を指すこともあり、やや曖昧である。

歴史

段ボールは19世紀のイギリスにおいて当時流行していたシルクハットの内側の汗を吸い取るために開発された。のちに包装資材として利用されるようになったのは、アメリカ合衆国においてガラス製品の包装に使用されたのが始まりである。現在用いられている段ボールを作成し、日本において「段ボール」という言葉を作ったのは井上貞治郎である。

段ボールシート

狭義で、本来の意味である段ボールはこれのことを指す。様々な段ボール製品の素材。ライナーにフルーテッド(波型に加工)した中芯を貼り付け、さらに裏側にライナーで補強したシート。 中芯の山の密度を指すフルートには、Aフルート・Bフルート・Cフルート・Eフルート・Fフルート・Gフルートまでが現在使用されており、Gに近づくほど細かい波形となる(CフルートだけはAとBの中間の厚み)。 一般に使用されるのは、Aフルート、Bフルート、E/F/Gフルート(マイクロフルート)である。また、表にBフルート裏にAフルートを貼り合わせたシートはBAフルート・ABフルートまたはWフルートと呼ばれる。段ボールシートの用途は一般的に製函用途が多いが、緩衝材やコンクリートパネルなどにも使用される。輸出梱包にはAAAフルート(トリプルウォール等)、AAフルート(バイウォール等)など特殊な段ボールが木箱や鉄枠のかわりに使用されることがある。 Wフルートについては、BCフルート、BBフルート、EBフルートもまたWフルートであり、これらBC・BB・EBフルートは日本国内では使用量も少なく、取り扱う企業も少ない。

段ボール箱

段ボール箱は、段ボールシートを素材とする箱である。軽さと強度、構造に由来する衝撃吸収性、何度も折りたたんでは組み立てられる利便性などから、宅配便、引越し等の運送業、または貯蔵の分野で、従来の木箱に取って代わるようになった。通常折りたたむと一枚の平坦な板状になる。日常的に「段ボール」という言葉を使う場合、この段ボール箱を指すことが多い。組み立てる際にはしばしばクラフトテープまたはOPPテープが用いられる。 A式(A形)・B式(B形)・C式(C形)などの形状がある。最も普及しているのはA式(A形)と呼ばれる形状で、箱の上下に開閉可能な蓋がついている(俗に言う蜜柑箱)。 JISのコード番号で箱の形式をいう場合もあるが、実務ではあまり使用されていない(JIS Z 1507)。 段ボール箱の応用で、内側にポリエチレンなどの合成樹脂で作った袋を取り付け、液体包装に用いる容器も製造されている(バッグ・イン・カートン、バッグ・イン・ボックス)。

プラスチック段ボール

通称「プラダン(プラ段)」または「ダンプラ(段プラ)」と呼ばれる、プラスチック(主にポリプロピレン)製の段ボールに類似した中空構造のシート。 紙でできた段ボール板に比べて耐水性、耐久性に勝るので、強度が必要な用途や、長期利用もしくは再利用を前提としたケース類などに使用される。不織布や高発泡ポリエチレンシート(ミナフォーム等)が貼ってあるプラダンや黒色の導電性プラダン(静電気に弱い精密電子部品の輸送用)もある。 プラダンの場合、輸送箱として使われるよりも建設業や引越し業で使用される養生シートとしての使用も多い。 寸法は通常の段ボールシートとは幅と長さ(流れ)が逆になる。プラダンは材料にポリプロピレンを使用しているため、加工には専用の接着剤を使用する。印刷する場合のインクも特殊なものを使用する。

シートの製造方法

段ボールはコルゲータ(コルゲートマシン)を通して製造される。コルゲータはシングルフェーサ・ダブルバッカー・カッターによって構成される。また、ライナーと中芯を接着するための製糊装置、さらに糊を溶かすための熱を発生させるためにボイラが必要である。完成された段ボールは、プリスロ(プリンタースロッタ)によって印刷され、グルアまたはステッチャによって段ボール箱へと加工されてゆく。箱の形状によってはダイカッタによって型抜きして加工される。

段ボール原紙

段ボール原紙はライナーと中芯に大別される。両方とも最初はロール紙の形をとっており、それをコルゲータにかけることによって両者を貼り合わせ、段ボールとなる。

ライナー

ライナー(Liner)とは段ボールの外側を形成する紙のことをいう。ライナーは多層抄きの板紙で、通常4層抄きである。 原料は主に古紙・クラフトパルプを用いるが、日本ではもっぱら古紙を使用することが多い。主にK7・K6・K5・C6・C5・D4の種類があり、K7が最も硬く、D4が最も柔らかい。なお、C6は需要が少ないため使用されなくなりつつある。また、表面に漂白パルプを流したもの、撥水・耐水原紙、赤、白、黄色、木目調などの色ライナー、プレプリント原紙など多種多様である。 米坪は120gsmから469gsm程度まで幅広い(輸入原紙を含む)。K7等の表記に関しては段ボール業界の慣習的表記であり、正式な包装設計図面等にはK280またはK280gと表記されることが多い。Kライナー(クラフトライナー)には各種グレードが存在し、原紙単位の数量の発注が可能であれば、グレード及びgsm単位で原紙を指定して製紙会社にライナー・中芯原紙を抄造してもらうことも可能である(色ライナー、プレプリントも可)。 また、D4の下のグレードとして、中芯原紙を段ボールシートの表裏に貼合する場合がある。通常、撥水・耐水原紙を使用する場合、ライナーに限らず中芯及び貼合用糊、グルア用糊も撥水・耐水用を使用する。

中芯

ダンボールとは 波状になっている断面

中芯とは段ボールの内側、つまり波状部分を形成する紙である。中芯は多層抄きの板紙で、通常4層抄きである。原料は主に古紙を使用する。 V20・V19・V18・V16・S18・S16・S14・S13・S12の種類があり、V20が最も硬くS12が最も柔らかい。なお、Vと付く種類の紙は薬品を使用してより強度が上げられている強化芯である。 ライナーほど種類は多くないが耐水性を向上させたものなどがある。S16等の表記もまたライナー表記と同様に業界の慣習的表記であり、それぞれの企業によって異なる。例えば、強化芯180gsmの場合V18・HP18・P18・HP8・P8等表記し、各企業によってまちまちである。

段ボール製品

包装、保管容器としての段ボール箱の利用がもっとも一般的である。また、ピザなど、ファーストフードのパッケージなどにも使用される。書籍などを夾んで、封筒状にして用いる包装材料もある。変わったものでは段ボール製の棺桶があるが、日本国内ではあまり使用されていない。 段ボールシートを加工し、家具・ノートなどの文具などに使用する例もある。地震などの避難所で、衝立や小部屋状に組み立てて使う例もある。 段ボールシートを加工し、自作パソコンのケースとして販売されている製品もある。 2007年に段ボール肉まんが世間を騒がせたが、再現調理してみたところ、「味はともかく、口の中に紙の繊維が残り食べられたものではない」というのが実際のところのようである。付け加えれば、段ボールは製造過程で化学薬品を使用し、また原料素材の素性によっては重金属を含んでいたりするので、動機はどうあれ食用にすることは適切ではない。

紙加工業

紙加工業(かみかこうぎょう)は、一般に原紙を目的の用途に合わせて加工する業種の事を指し、印刷・製本等とは区別される。

紙加工業の種類

●段ボール業

段ボール業界は原紙を段ボールシートに加工するコルゲーター業者と、段ボールシートを箱に加工・印刷する製函業者、及びコルゲーター・製函一貫業者に区分される。 日本の段ボール業界はコルゲーター業者が約350事業所、製函業者が約3000事業所となっている。

ダンボールとリサイクル

【 段ボールとは 】

段ボールとは、波形に成形した中しん原紙の片面又は両面にライナーを貼り合せたもので、次の4種類があります。(JIS Z 0108 包装用語)

片面段ボール 1枚のライナーに、波形状に成形した中しん原紙を貼り合わせたもの。
両面段ボール 片面段ボールの段頂に、ライナーを貼り合わせたもの。
複両面段ボール 両面段ボールの片側に、片面段ボールの段頂を貼り合わせたもの。
複々両面段ボール 複両面段ボールの片側に、片面段ボールの段頂を貼り合わせたもの。
片面段ボール 両面段ボール 複両面段ボール 複々両面段ボール
ダンボールとは ダンボールとは ダンボールとは ダンボールとは

段ボールに使用されるライナーと中しん原紙の品質はJISで規定されています。 (JIS P 3902 段ボール用ライナー、JIS P 3904 段ボール用中しん原紙)

段ボールの波形部を構成する段(フルートともいいます)には色々な種類があります。現在、次の3種類の段がJISで規定されています。 (JIS Z 1516 外装用段ボール)

JIS Z 1516の規定 参考
段の種類 記号 段の数(30cm当り) 段の高さ(mm)
A 段 AF 34±2 約4.5~4.8
B 段 BF 50±2 約2.5~2.8
C 段 CF 40±2 約3.5~3.8
A段 段が高いので緩衝性と垂直圧縮強さに優れており、輸送用の外装箱に最も多く用いられています
B段 段が低いので平面圧縮強さに優れており、缶詰やびん詰など内容物が潰れにくい商品の輸送用の外装箱に用いられています。
C段 欧米では外装箱の主流として用いられていますが、日本ではあまり使われていません。
※近年、贈答箱や個装箱などに利用されている高さの低い小さな段(マイクロ・フルートと総称されています)には、JISの規定はありません。
段ボール箱は、用途によって次の3つに分類されます。
個装用段ボール箱 消費者の手元に渡る最小単位の物品を包装するために用いる段ボール箱
内装用段ボール箱 個装をまとめ、それを保護するために用いる段ボール箱
外装用段ボール箱 主に輸送用に用いる段ボール箱

段ボール箱(段ボールケースとも呼びます)は、その中に梱包される商品を、輸送、保管、展示、荷扱い時の振動、衝撃、積上げなどから保護するために、個々の商品の特性に合わせて設計され、所定の寸法に裁断された段ボール(段ボールケースと区別して段ボールシートとも呼びます)に、印刷、切り込み、打ち抜き、接合などの加工を施して作られます。

●タック加工業

タックとはいわゆるシールのことで、剥離紙・糊・上紙を下から順に乗せていき、一枚のシート状に加工する業種である。

●製袋業

百貨店等で使用される紙製の手提げ袋、把手のついていない保存用の袋など、軽包装を担う軽包装製袋と、セメント袋等の重量物の梱包用袋を生産する重包装製袋に大別される。

段ボール箱~採寸方法

■ 箱の中に入れる物から箱の寸法を採る場合

品物の一番大きいところの「長さ」「幅」「深さ」を測ります。 どの寸法を深さにするかによって、できあがる箱の蓋の付き方がまったく変わるので、どこが深さになるかは非常に重要です。 長さと幅は、大きい寸法の方を長さとします。 また、内径の指定をしていただく場合、商品そのものの寸法では、きつくて物が入れ辛くなります。 そこで、タイト(ピッタリ目)がお好みの場合は各寸法に3mm程度、作業性を上げたい場合は、 すっぽりと入る大きさがよいので、各寸法に1cm程度内径寸法を大きくします。

■ 実際の箱がある場合

抜き箱の場合は難しいと思うので、サンプルをお送りいただくのが安心ですが、箱を展開した状態で、 「長さ」「幅」「深さ」の3つの部分だけ測っていただき、また、それらがどの部分かをご連絡いただければ、大体の大きさがわかります。

A式段ボール箱の寸法(外形寸法)の取り方(プロバージョン) 1.段ボール箱の深さの測り方

蓋を、ややきつく折った状態でその寸法を測ります。

ダンボールとは ダンボールとは
2.段ボール箱の長さと幅の測り方

長い方が長さ、短い方が幅です。

ダンボールとは
▼ 長さの測り方

箱を畳んだ状態で箱の端から切り込みの遠い方の寸法を測ります。

ダンボールとは ダンボールとは
▼ 幅の測り方

長さを測った時と同じようにして反対側から幅も測ります。 端と端を測ることによってその値はセンターからセンターを測るのにかなり近くなります。

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段ボールの厚みと材質

■ 一般的な段ボールの材質
A/F(エーフルート)5mm 段ボール

もっとも一般的な段ボール。 3mmのB/Fとほぼ同じ価格で、5mmの段厚がある。一般物流、発送梱包などにもっとも使われる段ボールの厚み。

ダンボールとは
B/F(ビーフルート)3mm 段ボール

2番目に一般的な段ボール。置き場所の問題で、在庫容積がA/Fの 約二分の一になるために使用されたり、小さい箱に使用されることがある。 また、1.5mmのE/Fよりやや安価なため、E/FをB/Fにする場合もある。

ダンボールとは
W/F (ダブルフルート) 段ボール

A/F とB/Fを貼り合わせたような構造の5枚構成の二重段ボール。 A/Fでは強度が不足する重量物を梱包する場合や、一般的な輸出梱包に使用されることが多い。 また、二重であるという緩衝性能の高さから、故意に材質を落としてダブル段ボールを使用する場合もある。 潰れを利用して内容物の保護を計る場合など、箱は「ただ強ければ中身を保護するとはいいきれない」場面もある。

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E/F(イーフルート)1.5mm 段ボール

3ミリのB/Fよりも1.5mmのE/Fの方が、材質が同じ場合やや材料費が高くなる。 薄いのに高い理由は、段目の細かさにより製造速度が落ちるからといわれている。 N式やB式などの抜き箱に多用される材質で、断面の段目が目立たないためパッケージとして使用されることが多い。 強度面ではB/Fに比べて劣るが、同じ重さの厚紙よりはずっと強度がある。

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